『診断と治療を同時に行うセラノスティクス(Theranostics)システムの開発』

 薬物を有効かつ安全に患者さんに利用していくためには、薬物の体内動態の制御が重要です。DDSは薬物動態を制御して薬物治療の最適化を図る技術で、分子標的薬などの最近の高度な医薬品の有効性および安全性向上には欠かせない技術です。現在、当研究室ではリポソーム技術と超音波技術の融合による新たなDDSの開発を行っています。超音波は診断と治療の両方に利用可能な外部エネルギーで、微小気泡(マイクロバブル)を組み合わせると、超音波による診断と治療が可能になります。つまり、診断と治療を同時に行う超音波セラノスティクスの開発です。当研究室では、血栓に集積する血栓ターゲティング型マイクロバブルを開発し、血栓を超音波造影で発見し、治療用超音波でマイクロバブルの圧壊を誘導することにより血栓を破砕し血流を再疎通させることに成功しました(ウサギの実験です)。また、がんの診断・治療が可能なマイクロバブルの開発も行っています。がん組織の新生血管を検出して、次にマイクロバブルの圧壊によって内皮細胞間隙をオープニングさせ抗がん剤をがん組織内に送達させる技術です。これによって副作用を抑えた低投与量で効かせることが可能になります。さらに、新たながん治療法として注目されているがん免疫療法における超音波抗原送達法も世界に先駆け開発しました。上記の研究と共に、がん遺伝子治療、核酸医薬(siRNA, miRNA)導入法の開発、低侵襲的脳内薬物送達法の開発などを行っており、国内外の研究機関と共同研究を進めています。

 

主な研究:超音波セラノスティクス 

1 腫瘍新生血管オープニングによる薬物送達(膵臓がん、乳がん)

2 BBBオープニングによる薬物送達(脳腫瘍)

3 核酸医薬(siRNA, mRNAなど)導入法の開発と治療(膀胱癌) 

4 樹状細胞がん免疫療法

5 血栓溶解療法

 

Theranostics Therapeutics(治療)とDiagnostics(診断)からなる造語で、今後の重要なキーワードです。

 

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BUS-DDS
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The 6th International Symposium on Bioimaging

2019年9月21日~23日

帝京大学板橋キャンパスで The 6th International Symposium on Bioimaging、The 28th Annual Meeting of the Bioimaging Society が開催されました。

研究成果 小学館まなナビに掲載

小学館まなナビを見る

がん治療をきり拓くか 新開発のバブル製剤」

日本薬学会関東部 第42回学術講演会

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Dr. J. Ungaさんが、Delivery Research Awardを受賞しました。おめでとうございます。

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